アラジール症候群は、肝臓内の胆管減少症による慢性胆汁うっ滞に、特徴的な肝臓以外の症状を伴う、遺伝性の肝内胆汁うっ滞症です。
従来は、肝内胆管の減少に加え、5つの主要症状(胆汁うっ滞、心血管奇形、椎体異常、眼球異常、特徴的顔貌)のうち3項目以上を満たすものをアラジール症候群と診断していましたが、近年はこれらの臨床症状を満たさないものの、この疾患特有の遺伝子異常を伴う症例も本症と診断する傾向にあります。
1) 肝内胆管の減少
2) ①胆汁うっ滞
②心血管奇形
③椎体異常
④眼球異常
⑤特異的顔貌
腎臓、脳血管、膵臓などに特徴的な異常
高コレステロール血症
黄色腫
精神運動発達遅滞
骨が折れやすく・治りにくい
上記症状がみられる場合もあります。
症状の典型例では乳児早期から黄疸(肌が黄色くなる)、淡黄色便を呈します。かゆみ、脂溶性ビタミンの不足による出血傾向やくる病を生じることもあります。
肝臓以外の症状としては、特徴的な顔貌(前額突出、両眼離解、鞍鼻、下顎形成不全)、眼の異常(後部胎生環)、先天性心奇形(末梢性肺動脈狭窄症、ファロー四徴症など)、椎骨奇形(椎弓欠損、蝶型脊椎)、尿細管性腎障害、黄色腫、高コレステロール血症を伴います。

①肝機能障害
③眼科的異常
④骨格系異常
⑤特徴的な顔貌
⑥腎機能障害
⑦皮膚症状
その他
発育障害・知能障害など